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予期せざる成功はなぜか腹立たしい

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予想せざる成功は、ときに人を不快にさせるものです。

新製品の開発者は特にそう感じるものです。

予想していた顧客ではなく、別の顧客が訪れるとき、開発者はなぜか非常に不愉快になり、(自分がターゲットに設定しなかった)顧客を排除したくなります。

自分の見通しの悪さを思い知りたくないのか、変更が面倒なのか。どうも、そういうものとは違うようです。

「このサービスは、あんたのために用意したんじゃない」というような腹立ちでしょうか。

ともかく、たいへん不愉快になります。

ところが、たいていの大成功は予期せざる成功から生まれます。アップルのような例は少ないでしょう。

大ヒット曲がレコートのB面から生まれたこともしばしばでした。今ではレコードも死語に近いですがね。

ユーザーは開発者の想定を越えた使い方をするものです。

ですから、予期せざる成功の裏に大きな可能性が秘められていると考えるべきでしょう。

 

揺籃期の電子計算機は、もっぱら科学計算に用いられていた。当時リーダーのユニバックは、技術面ではずばぬけていた。彼らは科学計算こそ、電子計算機の王道と考えていた。

そんな時代に、IBMは経理や給与計算などの事務計算市場を見つけた。IBMはたった4年足らずでユニバックを追い抜き、市場のトップに立った。

もっとも、技術力においては、ユニバックの地位はまだしばらく揺るがなかった。ユニバックの技術者にとって、新しい市場の出現は思いもかけないことであったろう。そして、多分これほど不愉快な話はなかったと思う。

いまのは、業界の競争であるが、自分のところの新製品や新サービスが想定と違った方法で利用されているときにも似たことが起きる。開発者は悲憤を抱くのだ。

佐藤直曉著『伝動戦略』より


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